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こんにちは、ファイナンシャルプランナーの畠山です。
突然ですが、注文住宅でも値引きができることをご存知ですか?注文住宅は高額な買い物になりますから、もし数%でも値引きが可能であれば大きな節約となります。
でも、実際に交渉するとなると「値引きの話なんてどうやって切り出したらいいの?」「上手くいかなかったら、気まずくならない?」「値引き交渉は難しいのでは?」と心配になる方もいらっしゃると思います。
では、どうやって値引き交渉したらいいのでしょうか?交渉の仕方や注意点、値引きの相場など知りたいという方に向けて、今回は「注文住宅の値引き交渉のコツ」について解説します。
目次
注文住宅で値引き交渉する際にまず知っておいてほしいことがあります。一般的に商品が値引きされる前提として、“商品が売れ残る前に金額を下げても売り、少しでも利益を回収したい”という売主側の心理が働いています。
住宅の場合ですと、建売住宅などは完成から時間が経つと新築物件として売れなくなってしまいますから、販売計画上、早めに売りたいという心理が働き、9か月を過ぎる頃には比較的値引き交渉がしやすくなります。
一方で注文住宅は買うことが前提として打ち合わせが進められます。買主の要望をしっかりリスニングし、確認をとりながら間取りや仕様、設備を決めていきますから、よっぽどのことが無い限り工事請負契約を結んだ後に解約されるということはありません。
また、契約を結ぶ前の段階では工事は始まっていないので売る対象の住宅もなければ、建築費用もこの時点では発生していません。住宅会社としては売れ残りのリスクがないので、無理に値引きする必要はないのです。
そうした状況を踏まえると、値引き交渉するのであればタイミングや進め方、関係構築などが重要になるわけです。
ただし、値引きするにはそれ相応のリスクもあり、例えば住宅の品質に影響が出たり、担当者との関係悪化なども起こり得ます。値引き有りきでの強引な交渉は控えるようにしましょう。注文住宅は価格の調整が可能ですから、まずは内容の見直しをしてコストダウンできるように検討することをおすすめします。
注文住宅の値引き交渉でベストなタイミングは「契約直前」とされています。注文住宅では建て主の要望や条件をリスニングし、それに基づいてプラン決めや詳細打ち合わせを重ねていきますから、契約に至るまで建て主はもちろんですが住宅会社もかなりの時間を費やすわけです。
全てを出し切っていざ契約!というタイミングは担当者の心理的にも「ここでなんとか決めたい!」という状況です。ここまで商談を進めてきて、あと一歩というところまできたら当然です。そのタイミングであれば、交渉次第で値引きに応じてもらえる可能性は高いでしょう。
このタイミングを間違えて早く切り出し過ぎると、見積りに値引き額を上乗せして提示されたり、値引き後に追加費用が発生する可能性もあります。また、間取りや仕様などの変更を提案されたり、建材や設備のグレードダウンを勧められることも考えられます。
逆に契約後の値引きは住宅会社も応じる必要がないので、意味がありません。値引きを検討するのであれば、“契約前に一度だけ”が最も効果的です。
他に、値引き交渉が成功しやすいタイミングとしては、決算時期と住宅が売れにくいとされる1月です。決算時期は住宅会社のホームページやカタログなどで確認できます。契約のタイミングと合いそうであればここを狙うというのも一つの方法です。
値引き交渉を行うにも妥当な金額があります。値引き率は住宅会社の方針や経営状況によって異なるため一概には言い切れませんが、相場としては工務店で本体価格の3%程度、ハウスメーカーでは本体価格の3~8%程度と見ておきましょう。
このような値引き率の差は広告宣伝費などの上乗せがあるかないかというところが大きく影響しています。ハウスメーカーでは見積りに広告宣伝費などを上乗せしている分、値引きできる比率が工務店よりも大きい傾向にあるためです。
ただし、同じハウスメーカーでも地域によって人件費や仕入れ値などは異なりますから商品自体の価格設定や利益率は変わってきます。全国展開しているようなハウスメーカーはインターネットやSNSでの口コミを鵜呑みにしないように気をつけましょう。
また、そもそも値引き交渉を受け付けていないハウスメーカーもあります。契約予定の住宅会社が値引き可能かどうか気になる方は、ホームページや口コミ情報を確認してみてください。
値引き交渉のタイミングと値引き相場についてお伝えしてきましたが、では実際に交渉はどのように進めたら良いのでしょうか。ここからは交渉の進め方についてみていきます。
【1.複数の会社から見積りを取る】
まず、値引きをするしないに関わらず、契約までの流れの中で複数社から見積りを取って比較することの必要性については過去の記事の中でもお伝えしてきました。
1社だけの見積りでは比較検討ができないので、適正な価格かどうかも判断しかねます。具体的に検討したいと思う住宅会社を2~3社程に絞り込み、見積りを依頼しましょう。
『注文住宅で失敗を未然に防ぐために必要な知識』という記事でも書きましたが、相見積もりを取る際には、要望や総予算など同じ内容で条件を揃えて依頼することが大切です。相見積もりを取っていることも伝えることでその後の交渉もしやすくなります。
【2.契約の意思を示しつつ、決めきれない理由を伝える】
当然ですが、契約の意思がない相手の値引きには応じてもらえません。成功率を高めるためには、他社と迷っていて決めかねていることを伝えます。相見積もりをして価格面で迷っていることを伝え、値引きが可能かどうか相談するというのが自然な切り出し方になります。
この時、例えば「プランなどは気に入っていてお願いしたいが、予算の部分で他社と迷っている」とか「この内容で予算内に収まるなら契約したい」とか「予算を少しオーバーしているので、あと〇万円だけ安くできないか?」といった具合に、ネックになっているのが金額の部分であり、それが解消すれば契約を決めたいという意思が伝わるように交渉することが成功するポイントです。
予算を聞かれたときの回答も用意しておきましょう。この時迷っているもう一つの会社の見積りを引き合いに出して交渉します。もう一社の見積り額は同じくらい、もしくは少し安いくらいだと検討してもらいやすいでしょう。
価格に差があり過ぎる場合や工法や性能、グレードが違う場合などそもそも同じフィールドでない場合は値引きに応じてもらえない可能性もありますから、引き合いに出す会社は慎重に選ばなければなりません。
価格面以外でも、例えばツーバイフォー工法なら同じツーバイフォー工法で建てている会社を、平屋が希望であれば平屋を建てている会社をといった具合に、同じ市場で競い合っている会社を引き合いに出すと良いでしょう。
【3.交渉成立後は値引き内容の確認を】
上手く交渉が成立して一安心、となるのはまだ早いです。何がいくら安くなったのか、値引き内容については確認しておきましょう。併せて担当者がどのような対応をしているかも見ておくと、信頼して契約できるかの判断ポイントにもなります。
冒頭で注文住宅は値引きができるとお伝えしましたが、すべてのケースにおいて当てはまるわけではないということは心得ておきましょう。予算オーバーしているにも関わらず、値引きでどうにかなるだろうと確認もせずに契約した結果、値引き交渉はできずに泣く泣く予定していた設備を諦めざるをえなかったという失敗例もあります。
プランを立てる段階から予算内に収まるように最大限の努力をしつつ、それでも予定より少しオーバーしそうだが、ここで契約したい!という場合の最終手段として「値引きしてもらえるならうれしい」くらいの気持ちで臨むのが理想的です。
よくある失敗例ですが、価格だけでの判断はとてもリスクが高いです。値引き率の場合も同じで、相見積もりを取った中で値引き率が高い会社にしよう!という決め方はやめましょう。一番大切なことはどれだけ理想に近い家を建てられるかです。
値引きが成功した場合でも、きちんと希望や条件が反映されているか、納得のいくプランが提案されているか、値引き交渉も含め担当者の対応や住宅会社の姿勢は信頼できるかといったところまで総合的に見て依頼したいと思える住宅会社を選んでください。
住宅会社によっては期間限定での契約で値引きキャンペーンや〇〇万円分のオプションプレゼントなど広告を打ち出しているところもあります。
契約を検討している人にとってはお得で魅力的!どうせ契約するのであれば、キャンペーンを利用したい!と考えてしまいますが、詳細が決まっていない状態での早計な契約も危険ですから注意しましょう。住宅会社側の都合に合わせるのではなく、建て主側に寄り添ってもらう形での交渉を心掛けましょう。
決算前はどの住宅会社でも営業成績を上げるために一件でも多くの契約が欲しいと考えているため、交渉しやすいタイミングと言えます。ホームページなどで決算期をチェックして、もし契約と決算期が近いのであれば、「決算月までには決めます」など具体的にいつまでにという期限を提示して交渉すると成功の可能性も高まります。
例えば、値引き率について大まかな目安をお伝えしましたが、これは会社によって異なります。依頼予定の会社が予めどのくらいの値引き率かわかると、交渉の価格提示の参考にもなり、具体的な金額で話も進めやすくなります。
また、先にも書いたように住宅会社が値引き交渉に応じやすいタイミングというものがあります。決算期だったり、キャンペーンの時期など住宅会社のホームページを調べてわかることもありますから、そうしたタイミングを狙うのであれば、やはり事前の情報収集は欠かせません。
打ち合わせを重ね、良好な関係性を築いていれば、値引き交渉も切り出しやすくなります。担当者も「ここまできたら、ぜひうちで契約してもらいたい」「できる範囲内でなんとかしてあげたい」といった心情になりやすいです。
たとえ希望額までの値引きが無理だったとしても、どうにか予算内で希望に沿った提案をしてくれるかもしれません。建て主も契約することを条件に値引き交渉をしたのであれば、交渉成立後は約束通り契約をするのが筋ですよね。約束の軽視は関係悪化につながります。
また、初めから値引きありきで話を進めたり、打ち合わせの度に値引き交渉したり、極端に大幅な値引きの要求をするような相手では担当者に嫌な印象を与えかねません。契約した住宅会社とは家が完成してからもやりとりや付き合いが続きます。先のことも考えると、お互いに良好な信頼関係を築いておくのがベストです。
注文住宅では、建物の本体価格の値引きが難しい場合にオプションをサービスしたり、値引きや設備のグレードアップという形で対応してくれることもあります。希望するオプションは予めまとめて伝えておき、契約前に相談してみると良いでしょう。
今回は『注文住宅で値引き⁉ 交渉のコツを紹介』というタイトルで値引き交渉のタイミングや相場、進め方、注意点などについて解説してきました。
記事の中でも書きましたが、値引きありきでの予算の取り方はNGです。まずは予算内に収まるように最大限の努力をすること。それでも予定より少しオーバーしそうだが、ここで契約したい!という場合の最終手段として考えるようにしてください。「値引きしてもらえるならうれしい」くらいの気持ちで臨みましょう。
どの住宅会社でも値引き交渉に応じてくれるわけではありませんから、事前に値引き対応可能かどうか情報収集して確認しておいてくださいね。
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