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COLUMN コラム

「内と外」を曖昧にする土間の魅力
作業場・収納・憩いの場としての多機能活用

家づくり
「内と外」を曖昧にする土間の魅力<br>作業場・収納・憩いの場としての多機能活用

玄関を入ってすぐ、靴を脱ぐ前に立ち止まれる場所。それが土間です。

床がフラットで、汚れを気にせず使えるこの空間は、近年「第二のリビング」として注目されるようになりました。
作業場として使うこともでき、腰を下ろしてくつろぐこともできる。 さらにアウトドアリビングとつながることで、室内と屋外の境界をゆるやかに曖昧にしてくれます。

このコラムでは、土間を作業場としてもリラックス空間としても活かすために、間取りや収納、素材選び、実例を通して、その考え方を整理していきます。

土間の自由な使い方

土間の大きな特徴は、使い方を一つに決めなくていいことです。 リビングのように「くつろぐ場所」、 個室のように「こもる場所」と役割を限定しなくても、無理なく成り立ちます。

たとえば、 外から帰ってきて荷物を一時的に置く。 靴のまま植物の手入れをする。 椅子に腰を掛けて、庭の様子を眺める。

こうした行動はすべて、土間という一つの空間の中で自然に行えます。 屋内でありながら、外の延長のように使える感覚。 この曖昧さが、土間を暮らしの中で特別な存在にしています。

間取りの中で土間をどこに配置するかによって、使われ方も変わります。 リビングの近くに設ければ、日常の延長として使える第二のリビングに。 外に近ければ、屋内外を行き来しながら作業やひと休みができる場所になります。

土間は、住まいに柔軟さをもたらす空間です。

近年、住まいに求められる役割は、以前よりも幅広くなっています。在宅で過ごす時間が増え、仕事や趣味、家族との時間が一日の中で混ざり合うようになったことで、空間にも「用途を決めすぎない柔軟さ」が求められるようになりました。

土間は、そうした暮らしの変化を自然に受け止められる場所です。

あらかじめ使い方を限定しなくても成立するからこそ、家族それぞれの過ごし方に合わせて役割が変わっていきます。

収納と作業の両立

土間の活用を考えるとき、避けて通れないのが収納の考え方です。 DIY道具やアウトドア用品を置きたい一方で、 散らかった印象にはしたくない、という声もよく聞かれます。

ここで大切なのは、 「すべてをきれいに隠そうとしない」こと。

よく使う道具は、手に取りやすい位置に。 たまにしか使わない物は、腰より低い位置の棚や扉付き収納へ。 この整理だけでも、土間は作業場としてぐっと使いやすくなります。

作業スペースについても、考え方は同じです。 本格的な工房を想定する必要はありません。 立ったまま使える簡単な作業台があれば十分です。

木材を少し切る。 自転車を整備する。 子どもと一緒に工作をする。
こうした作業が、特別な準備をせずに始められること。 作業が終われば、道具を戻して日常に戻れること。 この切り替えのしやすさが、土間を無理なく使い続けられる理由になります。

素材の選び方

土間の居心地を左右するのが、床や壁の素材です。 ここでは「見た目」よりも、「どう使えるか」を基準に考えてみましょう。

床材は、汚れや水に強く、気を使いすぎなくていいものが向いています。 少しラフに使えることで、土間は「使っていい場所」として暮らしに馴染んでいきます。

壁についても、すべてを硬い素材で仕上げる必要はありません。 一部に木を取り入れるだけで、空間の印象は大きく変わります。 作業場でありながら、長く過ごしても落ち着ける雰囲気が生まれます。

アウトドアリビングとつなげる場合は、視線や動線が途切れないよう意識しましょう。 段差を抑え、開口を大きく取ることで、土間は屋内外をつなぐ役割を担います。

素材選びの基準は、 「きれいに保てるか」ではなく、 「使い続けたときにどう感じるか」。 この視点が、土間を心地よい空間にします。

作業とくつろぎが同居する、土間のある暮らし

たとえば、郊外に建てた30坪台の住まい。 玄関を入ると、リビングの手前に約3畳の土間があります。

平日は、帰宅後に荷物を置いたり、 自転車や外遊びの道具をそのまま置いたりする場所として使われています。 床が土間のため、多少の汚れは気になりません。

休日になると、この土間は違った表情を見せます。 簡単な作業台でDIYをしたり、 そのままアウトドアリビングに椅子を出してコーヒーを飲んだり。

作業をしていても、リビングにいる家族の気配は自然と伝わります。 完全に切り離された作業場ではなく、 暮らしの延長にある場所だからこそ、使う頻度も高くなります。

天気の良い日は、土間とアウトドアリビングを一体で使用。 屋内と屋外の境界を意識せず、その日の気分で過ごし方を選べる住まいです。

趣味の時間が生まれる空間設計

家の中に、「少しだけ手を動かしたくなる場所」があるかどうかで、趣味の時間の生まれ方は変わってきます。

趣味やDIYのために「専用の部屋」を用意すると、 どうしても使う場面が限られがちです。 準備や片付けに時間がかかり、「よし、やろう」と思うまでのハードルが高くなってしまいます。

その点、土間は日常動線の途中にある空間です。 特別な準備をしなくても立ち寄ることができ、思い立ったときに、少しだけ手を動かせる。

靴のまま使える土間は、汚れを気にせず作業できる場所でもあります。「短い時間で終わる作業」や「今日はここまで」という区切りがつけやすく、趣味の時間が日常の中に自然と入り込みます。

この始めやすさが、趣味の時間を生み出すポイント。

また、土間がリビングやアウトドアリビングとゆるやかにつながっていることで、 一人で作業をしていても家族の気配を感じられます。 完全に閉じた空間ではないため、 趣味の時間が生活から切り離されません。

作業をしながら子どもの様子を見る。 手を止めて、そのまま外で一息つく。こうした切り替えが無理なくできることも、土間が趣味の時間を育ててくれる魅力のひとつです。

土間のある間取りが向いている人

土間は、すべての人に必要な空間ではありません。 けれど、暮らし方によっては、土間との相性の良さを感じる人もいます。

たとえば、 室内を汚したくないけれど、作業やDIYを楽しみたい人アウトドアリビングに興味はあるものの、完全な屋外には抵抗がある人 趣味を、特別な部屋ではなく日常の中で続けたい人

こうした方にとって、土間はちょうどいい距離感の空間です。 リビングほど気を使わず、 外ほど準備を必要としない。 その中間にあるからこそ、暮らしに取り入れやすくなります。

土間は暮らしの余白をつくる

土間を取り入れることは、機能を増やすことではありません。 暮らしに、余白をつくることです。

作業場にもなる。 収納としても使える。 外へとつながる場所にもなる。

用途を一つに決めないからこそ、 土間は長く使い続けられる空間になります。 内と外を曖昧にし、暮らしの選択肢を増やす。 それが、土間の持つ本当の魅力です。

まとめ

土間は、使い方を一つに決めなくてもいい場所です。 作業場にもなり、収納にもなり、外へとつながる場所にもなる。 暮らし方に合わせて、少しずつ役割を変えていきます

ただし、土間の広さや位置、 アウトドアリビングとのつながり方によって、印象は大きく変わるもの。 文章や写真だけでは、 自分たちの暮らしに合うかどうか判断しづらい部分もあります。

もし、

  • 土間のある間取りに興味がある
  • 作業とくつろぎを両立できる家にしたい
  • アウトドアリビングとの関係を具体的に知りたい

そんな気持ちが少しでもあれば、 図面を見ながら話してみるのも一つの方法です。

相談会やイベントでは、 実際の事例や間取りをもとに、土間の取り入れ方や使い方を具体的に確認できます。「こんな使い方もできるんだ」と、文章では伝わらない部分が見えてくるかもしれません。

大切なのは、自分たちの暮らしに合うかどうかを間取りや動線を通して考えていくこと。
気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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この記事を書いた人

住広ホーム株式会社(インターデコハウス秋田・ナチュリエ秋田) 取締役統括部長/営業 畠山 雄大(はたけやま たけひろ)
  • 宅地建物取引士
  • 2級ファイナンシャルプランニング技能士
  • 住宅ローンアドバイザー

ファイナンシャルプランナーの目線で、住宅を検討しているお客様の家づくりのアドバイスをさせていただいております。いつでもご相談いただければと思います。

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