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ちょっとした小物入れや収納グッズなど、今や100均ショップの材料だけで手軽に作れてしまう時代。工夫次第で賃貸でもおしゃれで快適な空間を低予算で作り上げている方も多く、「ちょっとやってみようかな」と思った時のハードルの低さがDIY人気の理由のひとつとも言えます。
DIYを始めるのであれば、まずは作るものに合わせて必要な道具を揃えなければなりませんが、初心者の場合は作業をスムーズに進めるためにも工具選びがとても重要です。本記事では、初心者向けに必要な工具の種類や選び方を解説していきます。
これから“DIY”についての記事をいくつか書いていく予定ですので、今更説明は必要ないと思われる方もいらっしゃるとは思いますが、一応DIYについて簡単に押さえておきましょう。
DIYとは、英語の「DO It Yourself」の略で、素人が何かを自分で作ったり、修繕したりすることを意味します。日本DIY・ホームセンター協会によると、「日本ではじめて、DIY関連商品が一堂に揃った本格的なホームセンターが誕生したのは1972年」だったそうです。
それ以降、店舗数は年間約100~200店ペースで増え続け、DIYという考え方広まっていきました。一方、2005年以降横ばいで推移していた売上高はコロナ禍の2020年に4兆円の壁を突破し、DIY市場も拡大しました。2023年はまた4兆円を切り、横ばい推移の時期に落ち着きつつあるようです。
引用元:日本DIY・ホームセンター協会「年間総売上高とホームセンター数の推移(推計値)」
近年はSNSやYouTubeを活用してDIYに関する情報や動画なども多く公開されていますし、ホームセンターでもDIY関連の商品開発や工具のレンタルサービス、ワークショップなどにも力を入れているように感じられます。当社のお客様でもDIYを趣味にされている方は多く、まだまだ根強い人気の高さが感じられます。
DIY用の工具は作業に応じて必要となるものが異なり、その種類も多種多様なので、初めて選ぶには何が必要なのかわからず、戸惑ってしまうこともあるかもしれません。ここでは用途別に必要な工具をお伝えしていきますので、実際の作業をイメージしながら何が必要かを考える際の参考にしてみてください。
初めからあれもこれもと全て揃えようとするのは費用もかかり大変です。作業がレベルアップするにつれて「あったら便利かな」というものも増えてくると思うので、作業内容に合わせて段階的に揃えていくことをおすすめします。
DIY初心者が最初に取り組むべき簡単な作業には、家具の組み立てや小さな修理が含まれます。この段階では以下の工具を用意すると良いでしょう。
家具の組み立てや簡単なネジの取り外しに必須です。プラスとマイナスの両方を揃えておくと、多くの場面で役立ちます。よくあるのがドライバーとネジのサイズが合わずにネジ山をつぶしてしまうという失敗。サイズの異なるドライバーが入ったドライバーセットを購入しておくと便利です。
引っ越しや家具の買い替えの時などに使ったことはありますよね。DIYをする際には部屋や家具、木材など、さまざまな部分の長さを測る必要があるため、メジャーは必須です。
「コンベックス」と呼ばれる金属製のものは垂直の測定がしやすく、L字型の引っ掛ける金具が付いているので固定しながら測ることができます。巻き取り式のものが使いやすくて便利です。
釘を打ち込むだけでなく、家具の組み立てや部品を固定する際にも使います。木製ハンマーやゴムハンマーも用途によっては役立つので、用意しておくと安心です。
さしがねはL字型の定規で、直角や垂直の線が引ける便利な道具です。素材や薄さによっては曲線を引くこともできる汎用性の高いツールなので、一つ持っておくと良いでしょう。
のこぎりは木材やプラスチック、金属などの材料を切断するための工具で、手のこぎりとジグソーや丸ノコなどの電動のこぎりがあります。初心者でシンプルな木材カットから始めるのであれば、まずは手のこぎりが最適です。
手軽に木材の長さを調整できるので便利ですが、意外とまっすぐに切ることが難しく、使い慣れるまでに時間がかかるかもしれません。上手く出来ない場合はホームセンターの木材カットサービスがおすすめです。自分で切る作業を減らすことができますよ。
サンドペーパーは、木材や金属の表面を滑らかにするための研磨紙で、DIYやリフォーム作業において欠かせない道具です。表面のざらつきを整えることで、仕上がりの品質が向上し、塗装ののりも良くなります。
磨く時に木片やサンドブロックに巻いて使うのが広い面を均一に研磨するコツです。粗目、中目、細目を粗さの異なる種類があるので、用途に応じて最適なものを選びましょう。
DIY作業に慣れてくると、より楽に時短で効率よく進めたいと思いますよね。仕上がりにもこだわりが出てきたり。そうなったら少しステップアップして電動工具を取り入れてみてはどうでしょう。どういったものがあるのか、いくつか紹介していきます。
まず揃えるなら、電動ドリルドライバーがおすすめです。電動ドリルドライバーには、DIY作業に必要不可欠な木材に穴をあけたり、ネジを締めるといった機能が備わっており、先端のビットと呼ばれる部品の付け替えで2つの機能を使い分けることができます。
実はこうした作業が必要となる機会は多く、木材の種類によってはとても力が必要だったり、時間がかかったりと手作業でやるには限界があります。ボタン操作で回転方向を変えられるので、万一ネジが斜めになってしまったという場合でも、簡単に取り外してやり直すことができます。また、手動のドライバーに比べ、ネジを素早く回すことができるため、作業効率が飛躍的に上がります。
木材の表面を滑らかにする際に使う工具です。塗装前の仕上げや表面を整える作業で、手動のやすりに比べて速く、きれいに仕上がり、塗装ムラも少なくなります。特に広い面積を研磨する時に活躍します。研磨作業では粉塵が飛びますから、メガネやマスクの装着も忘れずに。
ジグソーは、曲線や複雑なカットが必要な際に役立つ細い電動糸のこぎりです。木材だけでなく、金属やプラスチックの切断にも使用でき、家具の細部作りや装飾に適しています。
電動のこぎりに比べると作業スピードは劣りますが、手で切るよりは早く、初心者でも比較的扱いやすい電動工具で、DIYの幅も広がります。
電動丸ノコは、木材やプラスチック、時には金属をカットする際に使用される電動工具で、主に大きな木材や厚い材料のカットに向いています。円形の刃が高速で回転し、直線のカットを正確に行えるため、材料の切断作業をスピーディーかつ効率的に進められます。
上で紹介したジグソーや電動丸のこなどを使用する際には材料を作業台に固定させなければなりません。一人で作業する時に手や足で押さえるとズレが生じたり、不安定で危険です。そんな時に役立つのがクランプです。
クランプは材料や部品をしっかりと固定するための工具です。カットする時だけでなく、接着剤の圧着時や仮固定の際などさまざまなシーンで使える便利ものです。
タッカーは木に打てる大型のホチキスのようなもので、布やビニール、薄い木材などを固定したり、仮止めするのに便利な工具です。手動や電動、プロ向けのものまで用途に合わせてさまざまな種類があり、初心者でも扱いやすいです。
水平器は、物や構造物が水平または垂直になっているかを確認するための工具です。壁に棚を取り付ける際や柱を立てる際、家具の脚のバランスを調整する際など、正確な水平・垂直を出す必要がある作業で使われます。水平器もさまざまな種類がありますが、DIY初心者であればまずシンプルなき気泡管水平器があれば良いでしょう。
DIYや作業の効率を高めるためには、工具の選び方や使用方法が重要です。以下に、工具を選ぶ際のポイントや安全に使うための注意点についてまとめました。
まず最初にDIYの目的を決めましょう。何を作るのか、どのような作業をするのかによって必要な材料や工具は異なります。工具については上で解説したように一つを取り上げても手動なのか電動なのかなど種類はさまざまですから、これから行う作業がどのようなものになるのか、作業の工程や完成の状態までしっかりイメージしておくことが大切です。
工具の使いやすさは、作業のスムーズさや仕上がりのクオリティにも大きく影響します。初心者にとってはストレスなく作業できるかにも直結するので、選ぶ際の重要なポイントになります。
例えば「手にフィットして握りやすい形状や素材になっているか」「重過ぎたり軽過ぎたりせず、扱いやすい適切な重量か」「操作が簡単で分かりやすいものか」「充電式かコード式か」「メンテナンスはしやすいか」などチェックしてみてください。
購入レビューも参考になりますが、できれば実際に店舗で試し持ちをしてみて、フィット感や使いやすさを確認することをおすすめします。ホームセンターに行けば専門のスタッフがいますので、アドバイスをもらうこともできます。
有名なメーカーは耐久性が高い上、保証制度が充実しており、故障時にサポートが受けられるところも多く、信頼して使用できる安心感があります。特に人気の電動工具メーカーは「マキタ(Makita)」「ハイコーキ(HIKOKI)」「ボッシュ(BOSCH)」などです。
メーカーで選ぶ際にはバッテリーの互換性を考慮して工具のメーカーを統一したり、用途に応じた製品が多くラインナップされているメーカーで揃えたり、どのようなアフターサービスがあるのかをチェックするといったこともポイントになりますので、まずは実際に使用した人のレビューや評価なども参考に情報収集してみると良いでしょう。
実際に購入するとなると、DIY工具の種類は多種多様で、選ぶものによっては数万円以上するようなものもありますから、価格も気になるところですよね。
初心者の場合はあれもこれもと手を出して、結局使わなかったというオチにならないように目的に合わせてまずは最低限必要なものを用意しましょう。今は100均ショップでもDIY用の材料や工具が手に入りますが、安くても材料や造りが粗い工具は、作業精度が低く、耐久性に欠ける可能性があります。
逆に高価な工具は確かに性能や耐久性が高いですが、日常的に使う場合以外は中価格帯でも十分です。まずは用途や頻度を考え、必要な性能を見極めましょう。
使用前には工具の点検を行い、部品が緩んでいないか、異常な振動や音がないかを確認します。電動工具の場合、電源コードの傷や断線も点検しておきましょう。
作業中は、必ずゴーグルや防塵マスク、手袋を着用し、工具や材料の破片が飛び散っても怪我をしないようにします。
使用後は必ず汚れや粉塵を取り除くことが大切です。特に電動工具は吸気口や排気口にホコリがたまると、冷却効果が落ちて故障の原因になるため、エアダスターなどでホコリを吹き飛ばすとよいでしょう。
また、コード付き工具なら電源を切り、コードを整理して収納します。また、工具が刃物を含む場合はカバーをかけ、刃が露出しないように保管しましょう。工具は湿気に弱いので、湿気の少ない場所で保管することが重要です。
メンテナンスとして、工具の可動部分には定期的に潤滑剤を差しておきましょう。動作がスムーズになり、部品の摩耗を防ぐことができます。使用後や一定期間ごとにオイルを点検し、必要に応じて塗布しましょう。
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